マスコミの洗脳がいかに洗練されているか

たとえば、ネットで有名な「ニコニコ動画」ひとつとっても、面白おかしい動画群によって、ターゲットである全国民をネットに縛りつけ状態にし、愛らしくかわいいキャラクターや面白動画などによって、反抗分子や政治的野心をもつ人間の志操を骨抜きにして懐柔したり、若者や青年に対しては学業や仕事の合間のガス抜きやうれしがらせをするという目的をもっている。さらに、一見無償で提供してあげているという外観により、頭の悪い国民には、マスコミが善人であるかのようなイメージを与えている(ネットにタダで動画が与えられていて、それを作っているのがマスコミ会社だと知れば、本来なら敵意を持つべきマスコミに対してむしろ感謝すらするであろう)。2chに流れているレスポンスなども、毎回同じ内容であり、社会的秩序を維持するための警察情報と消費を刺激するための経済情報にきれいに分析することができる。さらに、一つ一つの定型句が、性別や年齢層などによって違った意味にとれるように念入りに作った形跡があり、実に作為的である。また、有線で流されている流行歌も、若者にとってはヴィジュアルタレントの派手でかっこいい歌というふうに映るし、青年に対しては仕事や学業の励まし、壮年に対しては日本政治の方向性をほのめかすといったふうに歌詞が工夫に工夫を重ねて作られている。情報ばかりではなく、街の景観、道路、商店、コンビニなど、ありとあらゆるものが、実に多種多様な政治経済的理由から計画的に作られているである(考え出したのは全部東大の文系学部に決まっている)。つまり、この社会にあるものはすべて「理由があってそうなっている」のであって、純然たる文化があると思ったら大間違いである。日本は、実のところ、洗練された理想社会でもなんでもなく、あらんかぎりの知恵を使って実に巧妙に作り上げられた「奴隷社会」であり、そこにいるのは、ただ「何も知らない無数のサル」と「知恵を独占しビルに隠れ住んで金でサルを操り遊ぶ老獪な調教師」のみである。