で、私も憲法判例はそれなりに研究したつもりなんで、憲法も知らない人よりは語れると思うんだが、日本の憲法ってのは憲法典に書いてあることとは全然違うから、中学の社会科で習ったことを真に受けてると痛い目みるっていうか、早い話、あれは忘れてしまったほうがいい。

最高裁判所の憲法判例から推測できること+世間の空気で書くんだが、日本の正しい憲法を教えて進ぜよう。

まず、政官財主権(×国民主権)。政治家と官僚と大企業の役員が支配者で、それ以外は奴隷。利益至上主義経済なので、経済活動の自由は最大限尊重される(○22条)。逆に、思想良心、表現の自由、学問の自由は、実質的にはない(×19条、20条、21条、23条)。三権分立もなく(×41条、65条、76条)、最高裁は行政庁だし、国会は国民代表による唯一の立法機関としては骨抜き。

教育の面では、激しい学歴主義。4歳から始まる教育の目的は、決して教養や立派な人格を身につけることではなく、東大に入ることである。東大に入ることは、政官財コングロマリットのどこかに組み込まれるためのパスポートとなっているので、約18年間の学校教育の総決算は大学入試であり、また、東大に入れるかどうかが事実上、教育の成功不成功になっている。大学入試までが、親子で本気になる人生のレースであり、これが終わったら後は何もないのだ。悲しいほどに何もない。上位大学卒業者から、太陽系の中枢部に送り込まれ、配置される。後はそこに固定されて死ぬまで歯車の如く回転させられる。そうしてまもなくして、全てが終わってしまう。生きているのに死んでいるという不思議な状態が到来するのだ。

こうしたシステムはもう終わったのだとマスメディアが垂れ流すのも、典型的なガス抜きにほかならなかった。事実は何も変わっていないが、何も変わっていないことをセキララに伝えると、労働者がやる気をなくし、暴動を起こしてしまうので、変わっているんですよ、君たちの時代が来ましたよ、と騙して、明日からも元気に働かせるための策略であることは明らかだった。あらゆる事情を考えても、このシステムが崩壊するはずがないのだ。おそらく今の日本も変えようとはしているのだろうが、様々な抵抗で一向に変わらないのでイライラしているのではないだろうか。そう、ここまで強固に固まってしまったものが、ちょっとした刺激で変わるはずがないのだ。それは個人の場合と同じである。