「俺は成績優秀だ」

「何の試験?」
「大学の定期試験です」
「なんだアホか」
「どういうことです」
「定期試験でいい成績が出ても本人が優秀かどうかは分からん」
「成績優秀なら頭いいってことじゃないですか」
「アホか。たとえば講義でしゃべったことを暗記してそのまま吐き出してあればいい成績つける決まりだったらどうする?」
「そんなことないです。ちゃんと頭の良さを見て採点しているはずです」
「なぜわかる。採点は闇の中だぞ」
「・・・」
「人の言うことを鵜呑みにしてそのまま暗記する奴なんて世間じゃ丸馬鹿だぞ。馬鹿の極みと言ってもいい
「・・・」
「それが分かった上で出世のためいい成績とる努力したって、それは学問じゃないから、どっちみち営みとしてはくだらん。本物の学問は意欲があれば大学じゃなくてもできるし、そういう営為こそ素晴らしい。」
「じゃあ定期試験って何のためにあるんですか」
「講義と試験で疲れさせて去勢するのが4割、教授の自己満足が4割、学生に学問を授けるなどという意味はほとんどない」
「なんだってー!」
「お前、今までだまされてたんだよ。お人よしもいいところだな」